小児科|千葉県いすみ市|外房こどもクリニック




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医療従事者の皆様へ

一次医療(総合診療)を基盤とした小児地域医療をめざして

2005/08/08

 医療は一次・二次・三次医療に分けられます。一次医療とは通常の外来診療、二次医療とは入院、そして三次医療とは高次医療という区分です。それぞれの分野は役割も異なり、内容にも大きな違いがあります。
そこには医療概念の相違があります。
 私たち外房こどもクリニックは、一次医療を基盤とした小児医療の構築を目標としています。一次医療とは外来診療をさす言葉ですが、単なる医学的な対応だけでなく、患者さんの状態を生活の延長と捉え、「ケア」を含めた幅広い対応を示すものです。ここでの「ケア」とは医療に関する様々な角度からの横断的な対応のことで、医師だけでなく看護職、事務職等、医療機関のすべての職種がその担い手となります。
 一次医療とはまた、ひとつの分野に限定されない総合的な医療を意味します。現在の医療は臓器別に細分化、専門化が進み、一人の人間を総合的に判断する基盤が脆弱になっています。
 小児総合診療とは、医療機関が小児に関する多様な領域の窓口となり、そのときの患児の状態に先ず対応するというものです。原疾患に関わらず その時の患児の状態、環境に応じた医療を提供することが重視され、必要に応じて医療以外の領域との連携を行うことも重要です。
 また、一次医療が生活の延長であるとは、簡単に受診できて、診療によって患者さんの日常生活がより快適になることを言います。
 例えば、私たちは重症児者の方々に、気道感染の予防、便秘の改善、気分を鎮める試み等を行っています。日常生活の中の一見些細な点と改善することで、患者さんのQOL(生活の質)を良好にすることができます。重症児者の方々が生活の延長として医療を利用でき、QOLを上昇させることにより、ご家族のQOLも良好になります。
 また、ご家族が、お子様と同じ急性疾患に罹患する場合もあります。そのような場合に、ご家族でいっしょに受診できる体制が必要です。
 地域における一次医療とは本来そのように、生活の延長と捉えられ、家族で受診できなければなりません。私たちはそうした医療を展開することにより、地域の中で更に幅広い連携が可能になると考えています。

外房こどもクリニック 院長  黒木 春郎

2005年8月8日発行  「SSK愛の友」誌 掲載
社会福祉法人愛の友協会(千葉県長生郡長生村金田2133)
http://www.ainotomo.or.jp の広報誌に 寄稿した文章です。